とんこつラーメンのスープとタレ(かえし)の作り方・レシピ
ここでは有名店のレシピを参考に、豚骨ラーメンのスープとタレ(かえし)の作り方を紹介していきます。複数の名店の店主から教えてもらった内容で、いろんなやり方がありますが、ここでは一番オーソドックスなやり方をご紹介します。
とんこつラーメンのスープの作り方
ではまずスープから。豚骨ラーメンのスープを作るにはまずひとつ分かっておきたいこと。
とんこつラーメンはゲンコツや豚頭などをメインに、強火でガーッと長時間煮込んで作るのが特徴です
強火で煮込むため、骨のカルシウムが溶け出し、白濁したスープになります。材料の種類は、他のラーメンスープより少ないですが、その分、手間や時間はかかります。濃厚でありながら、さっぱりとした味わいにさせるには、豚骨類の下処理をきっちり行い、臭みやクセのないスープに仕上げることが大事ですね。わざと下処理をせず、雑味を出してそれを売りにする作り方もあります。
また長時間煮込むので、焦げ付かせないように折をみてかき混ぜること、水分が減らないように水を順次足して行くのが作るときの注意点ですね。
材料
水:20リットル
げんこつ:5kg
豚頭骨:5kg
背脂:100g
醤油ラーメンのスープに比べると至ってシンプルです。骨と背脂だけ。お店によっては、背脂も入れなかったり、逆にニンニクや生姜などを入れたりします。分量は作る量で調整してください。
下処理
豚骨の下処理はしっかりやりましょう、と言いたいところですが、お店によってはほとんど何もしないとこともあります。ここでは一般的な下処理のやり方を。
① まずは骨をすべて寸胴に入れ、水を張って一晩、流水にさらし、血抜きをします。ちょろちょろと水を流す程度で大丈夫です。
② 血抜きが終わったらタワシで骨の表面を洗いましょう。汚れやホコリなどが付いている場合があるのでやります。血抜きをやった後のほうがやりやすいです。
以上で下処理は終了です。簡単です。お店によっては30分ほど下茹でするところもあります。
煮込み
① ゲンコツは割り、頭骨はそのままで寸胴で強火で煮込んで行きます。背脂も一緒に。
② ときどきかき混ぜます。かき混ぜるときに、柔らかくなった頭骨を砕きましょう。脳みそから出る旨味も一緒に炊き上げます。
③ アクがたまったら取り除きます。鍋のフチにもアクが付くので拭き取りましょう。頻繁に取らずに、数時間おきに。
④ 合計で丸2日間、強火で煮込みます。途中、水分が蒸発するので水を足しながら。
以上で完成です。お店によってはアクも旨味と言うことで、取らないお店もあります。アクは取らないほうがすっきりとした味わいになります。またゲンコツだけで作るなら8時間ほどの煮込みでOKです。頭骨を使うと時間がかかっちゃいます。
超濃厚!某名店のやり方
濃厚な豚骨スープで人気を博す某有名店では、以下のようなやり方でスープを作り、超濃厚な豚骨スープを作っています。
① まずは普通にスープを作る(1番寸胴)
② 1番寸胴でスープを取った後の出し殻でスープを取る(2番寸胴)
③ 2番寸胴でスープを取った後の出し殻でスープを取る(3番寸胴)
んで、3番寸胴で出来たスープを2番寸胴の水代わりに、2番寸胴で取ったスープを1番寸胴の水代わりに使って、スープを取ってるんです。つまり普通のスープの3倍の時間を使ってスープを取っていて、骨のカルシウムすべてをスープに入れ込んでいます。すげー。
タレ(かえし)の作り方
ここでは豚骨ラーメンのタレの作り方をお伝えします。
材料
水:500ml
塩:100g
チャーシューの煮汁:500ml
醤油:100ml
昆布:50g
にんにく:3~4かけ
チャーシューの煮汁がない場合は、水200ml、醤油200ml、みりん100mlで代用してください。
作り方
タレの作り方は以下のとおりです。
1.昆布を一晩水につけ、火にかける。沸騰したらすぐに取り出す。
2.上の昆布だしに調味料を全部混ぜ合わせ、よくなじむ様にしっかりとかき混ぜる。にんにくは半分にカットして入れる。
3.強火で一煮立ちさせてから、弱火にする。
4.あくを取りながら、30分煮込む。
5.粗熱をとり、一晩冷蔵庫で寝かせて完成。
おすすめ書籍の紹介
食べログ3.5以上の有名店のレシピが学べる
上に書いたレシピだけでも本当に美味しいラーメンが作れます。ぜひ試していただきたいのですが、ここではさらにいろんなラーメンの名店がレシピを公開している本を紹介します。
ラーメン技術教本 -人気店に学ぶ、スープ、自家製麺、トッピング
こちらの書籍では、超有名ラーメン店がお店で出しているレシピをそのまま公開しています。こりゃやばい!だって概ね食べログ3.5以上のお店ばかり。こんなの公開していいの?って感じです。
レシピが掲載しているお店は・・・
麺や維新/ 麺処 まるはBEYOND/ 饗 くろ喜/ 麺処 銀笹/ 我流麺舞 飛燕/ 東京スタイルみそらーめん ど・みそ 京橋本店/ 味噌らぁめん 一福/ 麺や 庄の/ 麺処 ほん田/ らぁ麺 胡心房/ 麺屋 藤しろ/ 麺劇場 玄瑛 六本木店/ つけめん TETSU 千駄木本店/ 貝汁らぁめん こはく/ 創作麺工房 鳴龍/ 支那ソバ かづ屋
僕もこの中から、何店舗か行ったことがありますが、開店のちょっと前に行っても行列があるような人気店です。ただレシピに関しては結構プロ仕様なので、一般の人が家でラーメン作るのには向いてないかもしれません。
レシピなんて公開したら潰れるんじゃない?
たしかにね、上記のお店も人気店ですが、レシピなんて公開したら真似されて潰れるんじゃない?っていう不安はあったと思います。でもこの本は、実は2016年8月から販売されています。
販売から6年、潰れたお店は0軒!
2022年3月現在、全部調べましたが、潰れたお店は0軒でした。移転しているお店は結構ありますが、営業終了したお店はありません。それどころか多くのお店が支店を出して業務を拡大しています。勝手な想像ですが、ラーメン屋さんってやっぱりラーメンが好きで開業するわけだから、いくら名店のレシピだからってそのままパクるのはプライドが許せないんじゃないでしょうか?ただまったく同じ味で出すのはやっぱマナー違反なのかもしれません。開業するならちょっとぐらいはアレンジしたいですね。
本の値段が高い?
それはないと思います。そりゃ一般の書籍から考えると高いかもしれませんが、お店の人がこれを見てラーメンの味が上がり、一日の売上が仮に1万円上がったとしたらお昼の営業だけで元がとれます。そう考えるとかなり安いですよね。いやむしろ激安と言ってもいいでしょう。
普通、ラーメンに限らず有名な飲食店のレシピって300~500万円が相場らしいです。決して高くは無いと思います。ただ僕みたいな一般人向けと考えると・・・ まあ趣味にこのくらいのお金を使うのはそんなに悪く無いのかもしれません。
本当にすべて公開してるの?
僕が見た感じでは、本当にすべて公開しているのかどうかは、正直なところ分かりません。中にはここもう少し説明くれよ!ってところもありますから。でも・・・
可能な限り、公開していると思います。
編集でカットせざるを得ないところもあると思いますが、なんてったって全員、日本を代表するお店の店主なので、その立場でノウハウ隠しちゃったら、他のラーメン界の人たちにディスられちゃいますよね。あの人セコいって。
家で作るならこっちがいいかも
こちらの本は静岡県三島の名店、ラーメン ろたすの店主、髙梨樹一氏が、自宅で作ることを想定して書かれたレシピ本です。面白いのはご自身のお店では普通の醤油ラーメンを出されているのに、札幌風味噌ラーメンや塩ラーメン、尾道、徳島、京都などのご当地ラーメン、はては二郎系ラーメンのレシピまで再現されていることです。本当にラーメンが好きなんでしょうね。
開業する人向けの本
最後に紹介するのは開業する人向け。こちらも名店、麺屋 八頭龍の店主である田村英樹氏の開業バイブル。開業計画からメニューづくり、物件の探し方まで丁寧に解説されています。
とんこつラーメンスープの材料
とんこつラーメンスープの材料の中でも豚頭骨や背脂はなかなか手に入れるのは難しいです。ですがさすがの楽天市場。きちんと販売されております。こちらではそれを紹介します。
ゲンコツ
ゲンコツはだいたい2kgで2000円ぐらいが相場のようです。2kgもあれば家庭用なら2回分ぐらいになりますね。
ゲンコツ
さすがに豚頭骨はなかなか売ってませんが、楽天市場でも1店舗のみ取り扱いがありました。そりゃ一般的には需要がないですもんね。
背脂
背脂もなかなかのレアアイテム。写真のものは背脂そのものですが、顆粒のタイプもあるので、使い方次第で活用するのもあり。
昆布
節系とともに魚介系スープに使われる昆布。煮出すとエグ味がでるので、水からじっくり出汁を取ることが多い。
日高昆布
磯の香りが強めで、それ以外の風味やうま味が弱め。安価なので比較的多く使われます。
利尻昆布
クセのない香りとうまみの強いだしが取れます。
羅臼昆布
風味もうまみも強いが、高価なのでラーメンにはほとんど使われない。
このチャート・・・